オレフォス(Orrefors)

Orrefors – A Century of Swedish Glassmaking

1925年開催のパリ万博にて、スウェーデンの出展はめざましい成功を収めた。36のグランプリと100の金メダルを獲得し、スウェーデンの装飾芸術は「スウェーディッシュ・グレイス」と称され、世界的注目を集めることとなったのである。
ガラスメーカー「オレフォス(Orrefors)」によるグラスアートの展示も、その傑出したクオリティと革新性により大きな話題ともなった。

「オレフォス」は、スウェーデン南部スモーランドに1726年、製鉄工場として設立された。
当地には豊富な森林材があり、溶鉱炉の稼働にとって恰好の資源となったのである。1898年には、コスタ(Kosta)を始めとする周辺のガラスメーカーに倣ってガラス工場を設立。初期は食器や瓶といった簡易な製品を製造していたが、次第に優秀なガラス吹き職人やデザイナーの参画によって、世界的なアートグラスメーカーへと成長していった。

本書は、「オレフォス」100周年を記念して1989年に出版されたもので、8人の研究者、批評家により様々な角度から、「オレフォス」及びスウェーデン・グラスアートについて論じられている。
ちなみに例年12月10日、ストックホルム市庁舎でノーベル賞受賞者の祝賀晩餐会が盛大に開かれるが、その際使用されるワイングラス・シャンパングラスは、「オレフォス」のNobelシリーズとされている。