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【new】フィンランド アラビアのカタログ
フィンランドの陶磁器メーカー アラビア、1959年〜1960年代初頭以降の製品カタログ。
Arabia|Talousposliini ja -fajanssi(磁器と陶磁器)
アラビア社は、スウェーデン・ロールストランド社傘下の製陶所として、1873年11月、ヘルシンキ郊外アラビア地区に設立された。1900年初頭まではロシアへの輸出向け日用食器や衛生陶器を製造していたが、フィンランド国独立の前年1916年、ロールストランド社の売却により、フィンランドの国民的製陶所として独立を果たした。初期は白地のシンプルな食器を製造していたが、ヨーロッパ諸国に広がる民族意識の目覚めと歩調を合わせるように、アラビア社も独自のデザイン性を高めていった。
1932年に美術部門を開設。同時にアート・ディレクターとしてKurt Ekholm(クルト・エクホルム1928‐1931)が就任。自ら作品をつくりながら、新たなアーティストを美術部門に招き、育成に力を注いだ。例えば、Michael Schilkin (マイケル・シュクライン1900-1962)、Toini Muona(トイニ ・ムオナ1904-1987)、Aune Siimes(アウネ・シーメス1909-1964)、Birger Kaipiainen(ビルゲル・カイピアイネン1915-1988)、グラフィックデザイナーであったRut Bryk(ルート・ブリック1916-1999)。彼らによって1950〜60年代、ARABIA美術部門は黄金期を迎えることとなる。
一方で、アラビア社は、日用品メーカーでありながら一点物の美術品のみ注目されることとなり、大戦時を中心に、本来の民衆生活の質向上に貢献していないという批判も沸き起こった。その機運に対し、1945年、アラビア社は、プロダクトデザイン部門を開設。デザイン部門長としてエクホルム推薦により、プロダクトデザイナーKaj Frank(カイ・フランク1911-1989)が起用される。
彼は、日用食器のデザインや製造ラインをリニューアルし、アラビア社の事業に大きく貢献した。1953年に開発されたテーブルウェアシリーズKIRTA(現Teema)がヒット。当時、12セット揃えて食器を購入するという習慣を覆し、足りないものを買い足してでも組み合わせ可能なシステムデザインを構築するという、当時としては斬新なものであった。
当時、カイ・フランクの元で活動していたデザイナー・デコレーターとしては、Esteri Tomula(エストリ・トムラ1920-1998)、Ulla Procope(ウラ・プラコッペ1921-1968)、Raija Uosikkinen(ライヤ・ウオシッキネン1923-2004)、Kaarina Aho(カーリナ・アホ1925-1990)、Saara Hopea(サーラ ホペア1925-1984)、Gunvor Olin-Gronqvist(グンヴォル・ウリン‐グロンクヴィスト1928-2005)等がいた。
本書は、古書店Antiikki ja TaidekirjatとArabian Museoの共同作業により2005年第4作目として出版された。1959〜1960年というアラビア社の黄金期に遡り製造されたテーブルウェア製品を収録したカタログである。製品ごとのモデル番号は、実際の製品底裏に記載されている場合が多いが、デザイナー・デコレーターの名前の記載はない。これは、当時のディレクターKaj Frankの指示によるもので、品質を高めながらも日用使いのテーブルウェアは、様々なスタッフにより量産されたもので一作家の作品ではないという意図による。アンティークコレクターにとっては、少々残念なことではあるが。
言語|フィンランド語・スウェーデン語・英語
作|Arabia
サイズ|230×170×25mm
ページ|314
製本|ソフトカバー
発行|2006
出版|Suomen antiikki - ja Taidekirjat oy
ISBN|952-5240-09-8
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