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【used】ヴィルヘルム・コーゲの冊子
1989年、Wilhelm Kåge(ヴィルヘルム・コーゲ1889-1960)生誕100周年を記念し回顧展がストックホルムNationalmuseumで開催された。この冊子は、当時、回顧展で配布されたもの。
冊子によると、Wilhelm Kågeは、1917〜1960までの間、グスタフスベリ製陶所でプロダクトデザイナーとして、また陶芸家として様々な製品・作品を現した。氏は自らをIndustrikonstnär(産業芸術家)と称していた。
表紙の絵はKågeに手による。裏面には1918〜53年頃までに記された氏の著名。
冊子最後に、スウェーデンの美術評論家Gustaf Näsström(1899-1979)のメッセージが記載されている。「ひとりの芸術家の創作意欲を産業の文脈で機能するように訓練したが、最終的にはその工場そのものが彼の個性的な表現の舞台になってしまった。そんな芸術家であった。」
ちなみにWilhelm Kågeの概略を辿ると、1917年、スウェーデン工芸協会(Svenska Slöjdföreningen)の推薦を受け、グスタフスベリ製陶所へセラミックデザイナーとして入社。同年Kågeは、ストックホルム、リリエヴァルクス・ギャラリー(Liljevalchs Konsthall)で開催された「生活博覧会Hemutställningen」に、「Liljeblåリリエ・ブロア(青いユリ)」サーヴィスを出品。過装飾を廃したフォルムに、コバルト・インクによるシンプルな「ユリ」をアクセントポイントとした当時としては斬新なデザインであった。また1933年には、機能主義的なテーブルウェア「PRAKTIKAプラクティカ」シリーズを発表。これら氏の作品群は、既存の装飾的な新古典主義を脱した、北欧モダン・デザインの封切りとなる象徴的なプロダクトだったのである。
一方1910年代以降、グスタフスベリ製陶所ではプロダクト製品とともにアート・ポタリーの制作にも重点を置いた。Kågeのアート・ポタリーとしては1930 年に発表した「ARGENTA(銀)」シリーズがある。深い緑釉・暗赤釉を掛けた陶胎に、熟練の職人が拡大鏡を駆使しながら丹念に銀箔で象嵌を施したもので、1950年代まで制作が続けられ、今だにコレクター垂涎のシリーズとなっている。
1942年、グスタフスベリ製陶所は業務多角化ともに所内に美術部門「通称G-STUDIO」を設立。ここを拠点に、Kågeは晩年に至るまで、作家性の高い作品群を世に出していくのであるが、同時に、轆轤陶芸家Berndt Friberg(ベルント・フリーベリ1899〜1981)、Stig Lindberg(スティグ・リンドベリ1916〜1982)、さらにその後進リサ・ラーソン(Inga Lisa Larson1931-)等とともに、1950年〜1970年代、グスタフスベリ製陶所の黄金期を築いて行ったのである。
言語|スウェーデン語
作|Arthur Hald
作品|Wilhelm Kåge
サイズ|250×150×2mm
ページ|16
製本|ソフトカバー
発行|1989
出版|Keramiskt Centrum Gustavsberg
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