【New】ティモ・サルパネヴァのグラフィックデザイン

ティモ・サルパネヴァ　-ドローウィング、スケッチと絵画 1943-1956

Timo Sarpaneva（ティモ・サルパネヴァ1926-2006）は、フィンランド・ガラスのモダニズム領域を切り開き、その優れたデザイン性を世に知らしめた存在である。

1953年、グラス内に気泡空洞を作る蒸気吹き込み製法を用いたフラワーベースORKIDEA（オルキデア-蘭）、1954年レッドクリスタルのカットによるKAJAKKI（カヤック）を発表。同年のミラノ・トリエンナーレでは、Tapio Wirkkala（タビオ・ヴィルッカラ1915-1985）、Kaj Franck（カイ・フランク1911-1989）らの作品とともにグランプリを受賞。1956年、日常使いのプロダクトROUND BIRD BOTTLESを含む、I-LINJAN（the I LINE SERIES）は、1957年のミラノトリエンナーレで2回目のグランプリを獲得、世界的に注目を浴びた。サルパネヴァは、コレクションのために「i」のロゴもデザインしたが、そのマークは、以後〈Iittala〉社のブランドロゴへと展開されることになった。

本書は、ヘルシンキDesign Museumに収蔵されているサルパネヴァのスケッチ、デッサン、絵画等のグラフィック作品を1943年から1956年頃まで、氏の修学期からガラスデザイナーとして活動開始時期までを中心に年代順に構成したものであり、デザイナーへの意識変遷を踏まえて眺めると興味深いものがある。

もともと氏は1926年ヘルシンキ生まれ、1940年〜45年Taideteollisuuskeskuskoulussa（the Central School of Industrial Art）のプレカリキュラムを受講し、1945年〜48年専門的にグラフィックデザイン部門で学んだ。それは、フィンランドにとり受難となったソ連との冬戦争（1939-1940）及び継続戦争（1941-1944）等の社会的混乱のさなかのことである。1949年、同校を卒業。同年リーヒマキRiihimäkiグラスデザインコンペティションに参加、準優勝となり、このコンペ参加がガラスデザインを職業とするきっかけとなる。1951年には、Iittala glassworksに採用され、その後、華々しい成果を世に送り出す事となる。


言語｜英語・フィンランド語　
編集｜Harry Kivilinna　
作品｜Timo Sarpaneva
サイズ｜255×210×12mm　
製本｜ソフトカバー
ページ｜151　
発行｜2018　
出版｜Designmuseo　
ISBN｜978-952-9878-87-1

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