Wilhelm Kåge|formgivare i folkhemmet

【used】ヴィルヘルム・コーゲの作品集
SE-U00336
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【used】ヴィルヘルム・コーゲの作品集

ウィルヘルム コーゲ 国民生活のためのデザイナー
(※folkhemmetは、スウェーデンの歴史的社会政策上、特別の意味を持っている。)

画家・グラフィックデザイナーとしてキャリアをスタートさせたWilhelm Kåge(ヴィルヘルム・コーゲ1889-1960)は、スウェーデン工芸協会(Svenska Slöjdföreningen)の推薦を受け、グスタフスベリ製陶所へセラミックデザイナーとして入社した。1917年、28才のことである。

もともとグスタフスベリは17世紀中葉、貴族の所領地とその附属煉瓦工場として始まったが、経営主体の移行とともに、1825年、ドイツの製陶技師を迎え製陶所として新たなスタートを切った。当初は英国風、銅版プリントもの主体であったが、やがて、北欧模様によるNordiska Stilの作品群を世に出すなど、国際社会でも高い評価を得るに至った。

しかし、近代工業化の流れとともに、一般市民生活の質的向上に資する、良質なマス・プロダクトへの要請が高まり、1910年以降、スウェーデン工芸協会は有能な若手芸術家・建築家を、分野を超えた産業の世界(特に、ガラス・陶磁器産業)へ積極的に招致し、デザイナーと職工の協働による生産体制構築を図った。デザイナーWilhelm Kågesもそのひとりとして、グスタフスベリ製陶所に招かれたのである。

同年Kågeは、ストックホルム、リリエヴァルクス・ギャラリー(Liljevalchs Konsthall)で開催された「生活博覧会Hemutställningen」に、「Liljeblåリリエ・ブロア(青いユリ)」サーヴィスを出品。過装飾を廃したフォルムに、コバルト・インクによるシンプルな「ユリ」をアクセントポイントとした当時としては斬新なデザインであった。また1933年には、機能主義的なテーブルウェア「PRAKTIKAプラクティカ」シリーズを発表。これら氏の作品群は、既存の装飾的な新古典主義を脱した、北欧モダン・デザインの封切りとなる象徴的なプロダクトだったのである。

一方1910年代以降、グスタフスベリ製陶所ではプロダクト製品とともにアート・ポタリーの制作にも重点を置いた。Kågeのアート・ポタリーとしては1930 年に発表した「ARGENTA(銀)」シリーズがある。深い緑釉・暗赤釉を掛けた陶胎に、熟練の職人が拡大鏡を駆使しながら丹念に銀箔で象嵌を施したもので、1950年代まで制作が続けられ、今だにコレクター垂涎のシリーズとなっている。

1942年、グスタフスベリ製陶所は業務多角化ともに所内に美術部門「通称G-STUDIO」を設立。ここを拠点に、Kågeは晩年に至るまで、作家性の高い作品群を世に出していくのであるが、同時に、轆轤陶芸家Berndt Friberg(ベルント・フリーベリ1899〜1981)、Stig Lindberg(スティグ・リンドベリ1916〜1982)、さらにその後進リサ・ラーソン(Inga Lisa Larson1931-)等とともに、1950年〜1970年代、グスタフスベリ製陶所の黄金期を築いて行ったのである。

著者Petter Eklund (ペッター・エクルンド) は、デザイン、手工芸、建築、美術の分野で活躍するノンフィクションライターである。20世紀の芸術と産業のあり方、特に製陶所の歴史に造詣が深い。本著作では、当時の社会的文脈を睨みながら広告ポスター制作に励むグラフィックデザイナーWilhelm Kågeが、いかにスウェーデンの新しい世紀を代表する陶芸家になっていったか、その足取りを辿る。

特に、1917年5月、Kågeはグスタフスベリ製陶所に入所し、リリエヴァルクス・ギャラリー(Liljevalchs Konsthall)で開催された「生活博覧会Hemutställningen」は同年10月。Kågeは、その僅かな期間に陶磁器産業を理解し、エポックメイクとなる「Liljeblåリリエ・ブロア(青いユリ)」サーヴィスを創り出品した。Kågeの創造主としての奥深い能力を探求する。

また、後半では、アジアからのインスパイアについて紙面を割いている。日本関連では、1952 年濱田庄司、柳宗悦のスウェーデン訪問、1956年の来日では濱田庄司宅工房での作陶体験。日本から持ち帰った民芸品や作家作品をグスタフスベリ製陶所G-STUDIOのメンバーが手に取っている写真も掲載されている。

本書は、Kågeがグスタフスベリ製陶所で陶芸を始めて100年目となる2017年に刊行された。同年グスタフスベリ陶芸美術館Gustavsbergs Porslinsmuseumにて回顧展も開催された。


言語|スウェーデン語 
作| Petter Eklund
サイズ|210×175×24mm 
ページ|222  
製本|ハードカバー + 紙カバー 
発行|2017 
出版|Historiska Media 
ISBN|9789175454160

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